主要研究テーマ


 主要研究テーマは Coping Behavior  コーピング

 

  コーピングは、ストレスに対する対処行動を意味し、心理学だけではなく、医学、看護学、社会福祉学など、多様な研究領域から注目を集めている。現在は、特に、行動医学、慢性疾患の領域において、盛んに研究がなされている。

 

 より具体的に言えば、下記のテーマ

 

1. コーピングの柔軟性(coping flexibility)

 

  状況に応じて、適切なコーピング方略を選択し、実行する。それが、コーピングの柔軟性。

  研究者たちは、コーピングの柔軟性仮説を実証しようとしている。柔軟性仮説とは、柔軟に対処する能力が高い(柔軟に対処することができる)ほど、ストレス反応を緩和したり、社会的適応や満足感などが高くなったりする、という仮説。この仮説は、古くから多くの研究者たちによって支持され、主要なストレス理論やコーピング理論と一致している。しかし、この仮説の検証はとても難しい。コーピングの柔軟性を操作的に定義する適切な方法を、見つけだすことが大変だからだ。

 

  僕は、この問題を解決し、コーピングの柔軟性仮説を実証することに精力を注いでいる。現在は、特に、柔軟なコーピングがストレスを緩和する、という生理的メカニズムについて研究を進めている。

 

    この領域における、私の代表的業績とその内容

 

 

 

2. 対人ストレスコーピング(interpersonal stress coping)

 

  人間関係で生じるストレスに対処する方法。

  

  日本人が行う対人ストレスコーピングの特殊性と、日本人において観察された効果的な対人ストレスコーピングの方法を、国外に認知させ(国際誌で報告し)、国内発のコーピング理論を提唱しようとしている。心理学に関する多くの理論は、欧米(特に合衆国)発であり、欧米の理論を異文化にも当てはめようとしている。現在、日本で行っている研究は、まさにそのもの。しかし、国内発による理論を提唱し、それを国際的に認知させることが、意義のある研究。

 

  筆者が提唱した Reassessing Coping (対人ストレスコーピングの方略のひとつ)に、注目している。

  Reassessing Coping は、ストレスフルな人間関係に直面した際、直ちに、その関係に働きかけ、その関係を改善しようとしたり、放棄しようとしたりするのではなく、対応することが可能な状況になるまで、あえて、積極的に待つ、という方略。あえて、待つ、ということによって、ストレスフルな原因となった人物だけでなく、自分自身も冷静になり、解決するために必要な情報を収集するための時間を確保することができ、ストレスフルな状況を許容することができるようになる。

  このようなコーピング方略は、欧米で提唱されたマインドフルネス(Mindfulness)の諸技法や、Psychological Flexibility、Ddetached Mindfulness、Meta-Cognitive Awareness などの概念とも通じるところがある。欧米人の理解できるこうした概念を用いつつ、 現在、Reassessing Coping の有効性の一般化のための理論的枠組みを構築中。

 

  Reassessing Coping は、コーピングの柔軟性とも深い関係があると考えており、将来的には、両概念を統合した新たな理論的枠組みを提唱する予定。

 

尺度 Interpersonal Stress Coping Scale ← ここからダウンロードできます。

 

  この領域における、私の代表的業績とその内容

 

 

最近の研究内容

 

1. 行動医学・疼痛

 

   コーピングの柔軟性という概念をキーワードとし、自殺、睡眠障害、抑うつ、頭痛、慢性疾患に伴う疼痛などの研究を行っている。これらの研究は、心理学関連の雑誌ではなく、主に行動医学、慢性疾患、疼痛の専門誌に投稿している。

 

尺度 

Sleep Quality Questionnaire (English version) ← ここからダウンロードできます。

 

Japanese version of the Sleep Quality Questionnaire ← ここからダウンロードできます。

 

 

  この領域における、私の代表的業績とその内容

 

2. アンチ・ポップサイコロジー

 

  僕は、複雑な現象を単純化し、安易に解釈できる説明原理によって、現象を説明しようとすることが大嫌。大衆が喜びそうなテーマを、大衆にわかりやすい安易で、単純な解釈によって説明し、注目を集めるためだけに、再現性の乏しい現象を発表する。そんな研究の問題点を掘り下げ、科学的な慎重さの重要性を説く、それが、僕の研究テーマのひとつ。

 

  この研究は、生産的ではない。それは、重々承知。そもそも、そのような現象は起こらない、ということを実証することは至難の業であり、査読者を納得させるデータを提示するのは大変。でも、僕の研究スタイルを貫くためには、この研究も、僕にとっては重要。

 

 

 この研究を通じて、僕という研究者を理解してほしい。

 

  この領域における、私の代表的業績とその内容

 

 

3. 恋愛心理学

 

  恋愛に関する研究もしています。

 

尺度 Forgiveness of Other Scale and Forgiveness of Partner Scale    ← ここからダウンロードできます。  

    

  

問い合わせ先


flexcoping@gmail.com

 

 

 

 

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